松本短期大学は、人々の健康と福祉及び教育における学術の教育研究の府として、信州の教育風土に培われた、教育への良心と識見を持って、人と交わり、人を育て、人に誠意を尽くす人間性の涵養と、自立した専門職業人の育成を行い、ひいては地域の人々に貢献することを、建学の精神として創立されました。
本学は昭和46年に松本保育専門学校として発足し、翌昭和47年に松本短期大学として認可を受け、幼児教育学科として、幼児教育に携わる人材を育成して参りました。平成16年より幼児保育学科に改称。ついで高齢化社会に対応すべく、平成五年には介護福祉学科を開設し、平成18年には看護学科を開設して、地域社会の保健医療福祉と教育に関する、多様なニーズにこたえることの出来る、保育士及び幼稚園教諭、介護福祉士などの専門的な職業人を育成する教育を行っています。
さらに専門的な職業人育成の為の教育に関わる研究を通じて、地域社会の保健医療福祉と教育の発展に、寄与したいと願っています。
幼児保育に携わるにせよ、高齢者の方々の介護にあたるにしても、また病める人々の看護をするにしても、和顔愛語を旨として人を愛し、人に喜びを与えることの出来る人間に育って欲しいと念じています。
松本学園理事長 銭坂久紀
松本短期大学を卒業する人が相手にするのは、「人間」です。幼児からお年寄りまですべてのライフステージにわたる人間です。保育園・幼稚園の子どもたち、障害を抱えて介護が必要な人、そして、病を得て看護に委ねられる方々が対象になります。
幼児保育、介護福祉の2分野のどのコースを選んでも、心と体の全体を使った「全的コミュニケーション」が求められる職場で働くことになります。そのためには、在学中に、あらゆる機会を活用して、どんなタイプの人とも話ができる能力を養ってください。
文明の進展は、人間と人間のあいだにテレビやスマホなどの媒介物を豊富にもたらしました。しかし、結果として、人間どうしの「直接的なつながり」を希薄化する傾向を生んでしまいました。自然史の長い期間にわたってせっかく獲得してきた「眼耳鼻舌身意」の感覚器官を、衰えさせてしまっているのです。
松本短期大学が目指す理想像は、「教育と介護の達人」である“ケアスペシャリスト”です。「やさしく相手を思いやり、専門知識を身につけて適切な対応のできる専門家」です。
そのような専門家を目指して、在学中は、先生の教えを受けることに加え、自分からも積極的に動き、「たくましく、やさしい」人間になるよう努めていただきたいと思います。そのように努めることは、就職に役立つことをこえて、長い人生の「たから」となるにちがいないと確信しております。
松本短期大学学長 木内義勝